出汁は「取る」のか「引く」のか。
今は料理雑誌の多くが「取る」と言うようになっていて、
6年前に出版した「世界の美味しいスープ」では
「取る」と言ったり「引く」と言ったりするのは、
混乱するので「取る」で行きます、と、統一されました。
洋食でブイヨンは「取る」。でも和食の世界では出汁は「引く」。
旨味を引き出すと言うところからこう言われているそうですが、
京都の名料理店のご主人が、
「私らは昆布を長いまんま使いますので、
取り出すときはずるずると引き上げるんです。
そこから出汁は取るんではなく引くと言うんどすな」
…と、どすと言ったかどうかは定かではないですけど(笑)、
教えてくださったこの説が私は好きですね~。
洋風や中華風より手間のかからない印象のある出汁。
昆布は2年かけて成長させて乾燥させ、
鰹節は乾燥させる何ヶ月もの間に何度もカビ付けをし、
ザックリ言うだけでも比べものにならないくらいの
時間をかけてできた材料を使うからこそ
私達は短時間ですむんですね。
数年前から和風はもちろんのこと、
洋風も中華風も出汁で料理するようになりました。
何の不便もありませんし違和感もありません。
普段からなじんでいるベースだからでしょうね。
出汁だけを使うようになったとは言え、
鰹、鯖、鯵、鰯、飛び魚、鯛、秋刀魚、
魚の種類はいろいろあります。
どんな違いがあるのか知りたいとのリクエストで
代表的な鰹、鯖、鰯(煮干し)、あご(飛び魚)で、
それぞれ昆布も使って出汁を引きました。
色、透明度がずいぶんと違いますね。
もちろん味も香りも違います。
どれが良くてどれがいけないということはありません。
私がよく引くのは鰹、煮干し、鯖、アゴの頻度順です。
好みで決めれば良いのです。
…とか何とか言いながら、使い分けしちゃってますけどね(笑)
煮干しは苦みが出ないよう、頭とはらわたを取ります。
重量が3~4割目減りするので
もったいないと思われるでしょうね。
美味しい出汁を目指した結果だと思ってくださいな。
人によっては骨まで取るそうですが
骨から出る美味しさは残したいと思い、頭とはらわたのみ。
煮干しの種類は?鰹の種類は?昆布の種類は?
材料だけでも語りだすと止まらない出汁の世界。
今日のところはこの辺で…。